「森は海の恋人」、そうです。しかし、私は森も海も大好きです。まったく違う要素を持っているのに身を置くだけでワクワクする。お・じ・さ・んになってもラブです!
私にとっての森は林ではありません。漢字で表しているように、「林」は植林された同じ高さの同じ種類が多い場所、つまり杉林とか檜林です。一方で、「森」は高さが違う色んな種類の植物が共生している場所。原生林は光も入るのでもっと気持ちがいいです。また滝や清流はマイナスイオンで究極の癒しを私に与えてくれます。
里山など植林されて整備が行き届いた山も好きです。田園と調和した伝統建築の集落に行く前の晩は、子供の時に感じた遠足の前日のようなワクワク感があります。しかし、大型店舗や地域性を感じられない統一感に欠ける景観に変わり果てた町に魅力を感じないようになりました。古くて新しい建築物の見学も楽しみのひとつ。古民家好きだけに飽き足らず、古民家鑑定士の資格まで取得しました!
大自然と里山が好き。後者は日本の代名詞のように使われていますが、アジアには多くの里山があります。全世界よりもアジア諸国に軸足を移すようになったのも、この「ホッとする」があるからかもしれないです。
このブログを読んでいる人に伝えたいのは、数十年前と比較すると海も山も人間の持続不可能な開発によって、景観や生活環境が様変わりしていること。昔のサンゴ礁や魚群を見てきた私たちは、今の若者の感動と違います。本当の姿を知らない世代はかわいそう。山も同じ、特に氷河の後退や砂漠化はその変貌が著しい。教科書やオンラインで学ぶだけでなく、現地に足を運び五感で感じることを若い人たちにしてもらいたい。
1997年8月15日にヘリコプターから撮ったアラスカのグレウィンク氷河。
近年のグレウィンク氷河。(イメージ:エメラルドエアーサービスHP)
この頃にはすっかりツアー客が行かない現地の人のエスコートでの旅がスタンダードとなっていく。観光を振興していることは共通しているが、生活水準向上や自然保護が第一目的。
インドネシアボゴール島:Mount Gede Pangrango国立公園近くの里山(2005年9月)
徳島県東祖谷のちいおり(2006年)
ラオス・ルアンパバーン郊外(2007年7月)
このように美しい景色ばかりではない。トイレやシャワー、食事内容や衛生面で絶句することが多かった。しかし、どの状況でも笑いが村中に響く、この幸せな集落を経済優先の観光で不幸にすることはできない。その気持ちがだんだんと強くなっていくのである。アジアだけに限らず、世界を自分の足で歩いたことが自分の糧になっていく。今でもそれは変わらない。
ベナン王国ポソトメ湖で集落の子供らと(中央はエコロッジ協会があったころの大庭氏)
わたしの観光への思想を形成した世界。その中でも際立って愛してやまない第二の故郷と感じる国がある。次回は、私を変えた国「コスタリカ」との出会いについて書いてみたい。
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